むかし、
まだ10代のとき、
友人と関西を旅行した。😌
学生時代の旅行は、
ユースホステルが基本だった。
修学旅行は、
中高と京都/奈良だった。
京都と奈良には詳しいと思っていた。
その日は京都泊だった。
しかし泊まるところは、
けっこう僻地にあった。
京都府だったが、
ずっと南のほぼ奈良県だった。
JRの加茂駅というところでおり、
そこから歩いたところにあった。
旅行は3,4日目で、
友達とはいえ、ふたり旅、かつ10代、
極端に口数が少なくなっていた。
そこへ、
わたしが選んだユースホステルは、
加茂駅から1時間くらい歩いた、
それも山の上のほうにあった。
海住山という山にある、
海住山寺 (かいじゅうせんじ)
というお寺の宿坊が、
ユースホステルだった。
奈良時代に創建という古いお寺で、
五重の塔は国宝だった。
お寺までの山道を、
ふたり無言で歩いていると、
背後には夕焼けがひろがっていた。🌇
住職夫妻が手続きをしてくれて、
お寺の宿坊である、
かなり大きな畳敷きの部屋を案内された。
そこには先客がいた。
5, 6人の中学生たちだった。
運動用のジャージを上下きて、
荷物をほどいているところだった。
そして、
その中学生たちは耳が聴こえなかった。😳
聾学校の生徒たちだった。😳
ハンディキャップの人と、
ふれあうのは始めてだった。🥹
わたしと友人は、
無言で目をあわせた、、、。😅
とりあえず風呂いこう、
と友人とふたり風呂にいった。
しかし広いとはいえ、
同じ部屋になった聾学校の中学生たちと、
どう接すればいいのか?
と頭を悩ませた。
初めての経験だった。🥹
湯船に口元まで沈み、
ぶくぶくしながら考えた。
そんなわたしを尻目に、
友人はサッサと先にあがっていった。
わたしは、
この初めての自分の気持ちを
もてあましたまま、
いつもよりスローな動作で髪をかわかし、
ゆっくりと部屋にもどった。
すると、
わたしの友人とその聾学校の生徒たちが、
部屋の隅でかたまり談笑していた。😳
その友人は、
いつも口数は少なく、
孤高の人だった。😌
そんなに社交的なタイプではなかった。
それが中学生たちと一緒に
ひと塊りとなり、
みんな輝いていた。✨✨✨
部屋中がパァーッと明るくなっていた。✨
わたしが部屋にそーっと入るのを、
中学生のひとりが見つけて、
顔中を笑顔にして近よってきた。😳
そして袋にはいったお菓子をとるように、
身振り手振りですすめてきた。☺️
わたしもその輪にはいると、
中学生たちの笑顔につつまれた。😊
みんな輝いていた。✨✨
すごく輝いていて、ビックリした。✨
わたしの友人もわたしにむかって、
ニコニコしてきた。😳
それから中学生たちが
リュックから取り出した、
いつも使っているであろうノートで、
筆談した。😊
何かが変わった日だった。
わたしの友人は、
筆談では物足りず、
手話をトライしていた。😍
友人のなかでも、
何かが変わったのは確かだった。✨✨
その後、
橋の下にたくさんの水が流れ、
その友人も子供をもつ。
長男の耳は聴こえなかった。
でも、
京都の片隅での経験は、
それより前と後では、
まるで違う人生をつくってくれた。
それはわたしにも、
その友人にも、
同じようにずっと響いている、
と思っている。☺️
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